序章
はじめに
一 中世文学における「夢」の研究史
二 『宇治拾遺物語』の研究史
三 先行研究における問題と本研究の意義
第一章 『宇治拾遺物語』における夢説話の分類
はじめに
一 先行研究の概観
1『宇治拾遺物語』における夢に関する研究の現状
2孤立話における夢
二 夢説話の分類
1『宇治拾遺物語』における「夢」の用例
2類型分類
まとめ
第二章 夢合せ・夢解き ─ 失敗型と成功型 ─
はじめに
一 第四話「伴大納言事」考
1説話構成と先行研究の概観
2第四話における「夢」の機能と意味
3韓国における類話の考察
まとめ
二 第一六五話「夢買人事」考
1説話構成と先行研究の概観
2第一六五話における「夢」の機能と意味
まとめ ─ 第四話と第一六五話が持つ主題の違い
三 日韓における類話の考察
1太山寺本『曽我物語』北条政子の夢説話
2韓国の夢説話
3展開様相の分類及び考察
まとめ
第三章 夢による予言 ─ 神仏出現型を中心に ─
はじめに
一 第一〇八話「越前敦賀女観音助給事」考
1説話構成と先行研究の概観
2同話・類話の検討と問題の所在
3展開様相の分析及び考察
4第一〇八話における「夢」の役割
まとめ
二 『宇治拾遺物語』における貧者と夢の関係性
1第一三一話「清水寺御帳給ル女事」考
2第八八話「自賀茂社御弊紙米等給事」考
3韓国における類話
まとめ
第四章 夢告げ ─ 暗示型と説明型 ─
はじめに
一 第五七話「石橋下蛇事」考
1説話構成
2先行研究の概観
3分析と考察
まとめ
二 第一一二話「大安寺別当女ニ嫁スル男夢見事」考
1説話構成と先行研究の概観
2寺物使用の罪業と銅の湯の責め苦
3同話・類話の考察
まとめ
結章
補注
第一章補注
第二章補注
第三章補注
第四章補注
補論1 韓国の口承説話における夢解き・夢を語らない事例 ─ 日本の類話と関連して ─
はじめに
一 先行研究
二 韓国の夢にまつわる口承説話
1夢説きによって吉夢になる説話
2夢説きによって凶夢になる説話
3見ていない夢について夢説きをする説話
4夢を語らなくて成功する説話
まとめ
補論2 目に見えない力を信じる者 ─ 第三〇話『唐卒都婆ニ血付事」考 ─
はじめに
一 第三〇話の説話構成と先行研究
二 同話・類話について
三 第三〇話と日韓類話考察
1日本における研究動向と類例
2韓国における研究動向と類例
四 比較から考える第三〇話の特質
1大変事が生じる印としての「血」
2「大きなる卒都婆」について
3信じる者と信じない者
まとめ
参考文献
初出一覧
あとがき